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2010年4月 8日 (木)

社員バッジ

地下鉄での帰り道、座席に座っていると、ほろ酔いかげんのおじさん達二人連れが前に立つ。二人は会社の仲間の事を喋っているらしく、内容もさして興味を引くものではないが、なんせ酔った勢いか二人の会話の声がやや大きい。良くある宵の車内光景だが、目を引くのはその中の一人の背広の胸に、日本でも有数の家電メーカーのバッジが光っている事だ。どうもそのメーカーの社員二人が社内の話をしている様だが、どうしても胸のバッジに目が行ってしまい 「 ははあ、どこぞの誰だか知りませんが、オタクの会社の中はそうなんですか 」といらぬ興味を持ってしまう。

で、そのバッジを着けた男を何げなく見ていると、背広は”まあまあ”らしいのを着ているが、靴が何とも安っぽい。この会社は随分有名な会社なのだが、関西発祥のケチンボだから、社員はこんな靴しか履けないのか、などと色々な事を考えてしまう。もう一人の靴はさすがに皮靴だが、これがあまり磨かれておらず、背広のズボンにはプレスが入っていない。奥さんも本人も衣服に無頓着なのだろうか、こちらのオジサンは技術屋さんなのかな、などと変な勘ぐりを入れてしまう。

今でも社員バッジをつけている人をときどき町でみるが、私はこの社員バッジを社外でつけるのが嫌いである。会社と個人はあくまで別で、会社の玄関を一歩出れば、サラリーマンは一人の社会人以上のものでも、それ以下でもない。通勤途中では、社会からバッジ着用を求められてもいないのに、わざわざ自分のIDを表に表わす事もないと考えるのである。企業城下町ならいざ知らず、東京の地下鉄で背広にバッジとは、どうもサマにならない。そもそもバッジを通すホールは、防寒服であった上着の歴史からきているらしく、本当はバッジを着用する穴ではないそうで、一部の背広はバッジ穴は形ばかりかがってあるだけでイミテーションのものもある。

かくゆう私は制服が大好きで、大学4年まで学ランで学校に通ったクチだし、軍人や警察・消防の制服やバッジには敬意を抱く。しかし学生じゃないんだから、いい年のおっさんは組織の門を一歩出たら、会社のバッジをはずして欲しいものだとも思う。一流会社のバッジなら、やっかみで ”けっ”と思われるかもしれないし、知らない会社のバッジを見れば”なに、それ?”と思われるのがオチではないだろうか。どうみてもそろそろ引退かという年恰好のおじさんが、電車の中で社員バッジなどをしていると「社畜」という言葉が頭に浮かんできてしょうがないのである。

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