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2010年4月25日 (日)

投資信託

父の相続財産の投資信託に関して身内で意見が分かれて困ってしまった。一昨年のリーマンショックによって、ほとんどの銘柄は大きく評価額を下げてしまったのだが、このところの世界的な景気回復で購入元本との評価損は縮小している。相続するにあたり、今は市況アップ時であるので、これを解約せず塩漬けにしておけば良いのではないかと言う金融機関につとめる知人からのアドバイスで、回復見込みのない不動産投信を除きそのまま保有してはどうか、と弟に提案した。

ところが、弟はまた別の知人から投資信託などという金融商品は、一切売ってしまえとのアドバイスを受けた様で、解約したいと主張しその溝が埋まらない。どうやら毎月分配金を出している投信は、運用益がほとんど出ない時、手数料をとられた上に自己の資本を食いつぶして特別分配金をひねり出しているので、市況に関係なく一刻も早くすべて売れと無責任なアドバイスをする者がいるらしい。

実際には父の遺した投資信託は、この半年でキャピタルゲインと分配金合わせて5%以上運用益があがっている上、特別分配金についてはその性質上、税金がかかっていない。また購入元本との差損を出したら、税制上今後3年間にわたって株式や他の投信の譲渡益と相殺も可能である。これは成年後見人としてこの一年、父の保有していた投資信託運用実績を見ていたので良くわかった事だが、特に取得元本の高かった多くの投信は、1~2%の手数料を差し引かれても、世界的な景気回復期には有利な金融商品になっているのである。

まあこの議論のポイントは、個別銘柄の運用実績を知らないものが、一般論や特定の見方から金融商品を評価すると間違った判断を下し易いという事であるが、最近は仕事で同じ様な例でトラブった。船舶の戦争保険のかけ方は、日本の損保と外国の損保で違う部分があるのだが、外国の保険ばかりを利用してきた会社が、日本の保険の請求を見てその高さに憤慨し、私が減額交渉を依頼された。しかしよく両方の言い分を聞いて中味を精査すると、2つの保険はベースになる部分がまったく違う事がわかって、高い保険の意味を納得してもらったのである。金融商品や保険商品は、聞きかじりの知識や先入観をもたず、十分にその中味を理解して会話をしないと、しばしば間違った結論に到達してしまう、という点で最近のこのニつの事例はとても参考になった。

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