チリ地震
日本の精錬会社などが出資する、チリのロスペランブレス銅鉱山の開所式に招かれたのは、もう10年ほど前になる。首都サンチアゴから小型機で一時間あまり、南米最高峰アコンカグア山を拝みつつ着陸したのは、アンデス山脈の奥深い切羽。海抜4000米のサイトで露天掘りされた銅鉱石は山の中腹にある池で調整されて、水分と共にスラリー状になり港まで設置された太いパイプの中を一気に流れ落ちてくるのだが、その壮大な現場の様子に眼を見開かされた記憶がある。
今回のチリ大地震では、あの施設は大きな被害を受けなかったと報道されているものの、電力供給不足などでチリ産の鉱山の操業が滞るのを見越して、銅の先物価格が急騰しているという。津波が地球の反対側の日本にも押し寄せた様に、経済や物流のグローバライゼーションは思わぬところに影響が出たりするものだと思う。ニュースによると、首都サンチアゴでは被害はそうでもないが、第2の都市・コンセプシオンでは被害が大きいと云う。先のハイチ地震と違って、チリ南部は合衆国やヨーロッパとも遠隔の地、今度は日本が救助活動のイニシアチブをとるくらい活動しても良いのではないだろうか。
それと共に地震が発生する国のインフラやビルディング設計などに、日本の耐震建築技術が導入できないものか。地震多発国として日本がイニシアティブをとって国際的な機関に働きかけ、世界の地震国に於ける建築のスタンダードなどが導入できないのだろうか。地震や津波に関しては、日本のノウハウが世界の国々の防災に貢献できる面も多いと考えるのである。さてチリと言えばカバンの有名ブランド、グッチ製品の皮の一大供給地でもある。銅の価格と共に今後グッチのカバン製造にも影響があるのだろうか。ともあれ人的被害の少ない事を祈るのである。
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