ロイヤル・ウイング
妻が会社で横浜港レストラン船”ロイヤル・ウイング”の割引券をゲットしてきたので昨夕乗船してみた。これまでも横浜からクルーズ船に乗下船の際に、大桟橋にいる”ロイヤル・ウイング”の事が気になっていて、いつか乗船しようと思っていたので、割引券入手は絶好のチャンスである。というのも、私にはこのフネの前身、関西汽船の”くれない丸”にかつて乗船した思い出があり忘れられない船のひとつであるからである。
あれは昭和38年の夏、別府から神戸まで上り観光便の”くれない丸”に父母と乗船したのだが、当時は”くれない丸”は僚船”むらさき丸”と共に、瀬戸内の女王と呼ばれ、新婚旅行のゴールデンコースであった別府ー阪神航路観光船の乗船券はプラチナ・チケットものだったのである。そんな人気の客船に乗れるという事で、乗り物が大好きな子供だった私は、興奮して船内では良く寝つけなかった思い出がある。
神戸に住んでいた頃には、夏休みには夕涼みがてら中突堤に良くフネを見に行った。当時は新幹線もなく飛行機やフェリーも一般的でない時代、神戸中突堤に夕刻佇んでいると、四国や淡路島連絡の大小のフネが、つぎつぎと発着を繰り返すのを見られた。そんな中、四国連絡の水中翼船に続いて、大阪から高松へ向かう加藤汽船の客船”ぐれいす””はぴねす”が優雅な白い船体をみせてくれると、いよいよ圧巻が大阪・天保山から別府へ向かう関西汽船の観光便の入港だった。”くれない丸””むらさき丸”その後に就航した”すみれ丸””こはく丸”など3000トンの客船がたそがれの神戸港・中突堤に姿を見せると、客船乗り場一帯がにわかに華やかになったものだった。
そんな女王の一隻に47年ぶりのご対面、よく”生きブネ”のまま健在だったなあと感慨もひとしおである。船内アコモデーションはすっかり変わっていて、かつての1・2等ダイニングは中華レストランに、サロンや一等船室が並んでいた場所はバイキング会場になっている。往年のうぐいす色の船体は真っ白に塗られて当時の面影はまったくないが、内部は改装されて姥桜の厚化粧という感じでもない。約2時間の飲み放題つき中華料理を楽しんだ以上に、50年経っても色あせないその優雅な船体デザインに魅了された夜だった。
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