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2010年1月 3日 (日)

日高義樹のワシントン・レポート

東京12チャンネルで日高義樹のワシントン・レポートという番組がある。日曜日の午後4時から1時間以上の枠の不定期番組で、諸外国の高官へのインタビューを通じて国際政治・経済の潮流や展望を分析する硬派の番組で、もう20年くらいも続いているだろうか大変な長寿番組でもある。保守派の観点から国際関係に切り込む視点が大変興味深いのと、永年ワシントンで勤務しながらいわゆる日本人的な英語を駆使しつつ、インタービュー番組を構成する日高氏の姿勢に大変好感がもてて、私は永年この番組のある週は、日曜日の午後4時にテレビの前に座るか、録画のセットをするのである。

その中でもう15年ほど前になろうか、日高氏とアメリカの元国務長官のキッシンジャーとの対談で、キッシンジャー氏が 「 覇権国家である中国の台頭で、21世紀の早い時代に米国と中国が太平洋の覇権をめぐって大変危険な状態になる 」と言っていた。当時は中国といってもまだこれから徐々に伸びつつある国で、まさかアメリカと覇権を競う様な国に高々10年少々でなる訳がない、と私はキッシンジャー氏の大胆な予想にびっくりしたのだが、事態はまさにその方向に進展している様で、彼の卓見に改めて脱帽する。先年、太平洋の東半分をアメリカが、西半分を中国で管理しようという類の中国首脳のコメントがあって物議を醸したが、昨年末のCOP15でみせたしたたかな中国のやり方をみると、鳩山政権の”友愛”などはまるでおままごとの様に思える。

さてキッシンジャー氏が予測したように、いよいよ中国の本質が露呈されようというこの時期に、民主党の言う「東アジアの友好」などは必要なのだろうか。世界の中心の国という意識をもつ中国だが、その覇権国家の周辺に位置する諸国が、歴史上一体どれだけの苦痛と脅威を味わってきた事だろうか。反対に日本は、中世・近世を通じて中国に様々な影響を受けつつも決して属国にはならず、適度な距離を置いたり鎖国をして独自の文化を創った賢さはハンチントンの「文明の衝突」でも紹介されている通りである。さらに中国において、共産党は「抗日戦で日帝」を破った事が国民支配のレーゾンデートルにもなっているので、反日思想のプロパガンダを簡単にやめるとは考えられない。

我々は、何も「東アジアの友好」などと声高らかに言うのでなく、ただひたすら日本製の良い製品や立派な社会のシステムをつくり、これらの国から訪れた人たちに日本流の良いサービスを行い、音楽や芸能・アニメなどの文化で発信し続ければ良いだけではないだろうか。低姿勢で近づくのはやめ、そのために経済的なデメリットがあっても甘受し、ちょうど米国文化がハリウッドを通じて世界標準になった様に、日本文化の先進性が東アジアに理解される様、次世代に期待するのである。またインドやベトナムなど中国を地政学的に包囲する国との交流を深めるべきではないだろうか。

何より太平洋という適度な距離の自然の防波堤があり、この65年間”トラスト”できたアメリカとの友好と信頼をより深める事が一層求められているのではないだろうか。同じアジア人であるとか、東アジアに住む人々との友隣関係など、耳障りの良い言葉に躍らされていないで、かつての日英同盟がどういう役割を果たしたのか、アメリカの精神や長所・短所は何なのかなど、もっと知っておいた方が良いのではないかと私は思うのだ。軍事予算だけでなく、いよいよ国際政治にもその存在を示そうとする中国の脅威を感じる2010年初頭に、いささか極論とは知りつつ、私はこんな新脱亜入欧の感想をもつのである。

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