確定申告
寒い日が続いたかと思うと、暖かい日がやってきて一日一日と陽が長くなっていくのが嬉しい頃である。と共にサラリーマンを辞めて以来、この季節は確定申告準備の季節でもあって気ぜわしい。昨年の領収書を整理し、税金・社会保険料・各種支払い証明書などを集めて税理士に提出するのだが、もらった領収書が何のものだったか、証明書などがきちんと準備されているのかなかなか大変な作業である。
こんな折り鳩山首相が母親から巨額の援助を受けておきながら、贈与税を申告していなかったとか、小沢幹事長が相続をしたと云われる何億もの資金が、家族名義であったり現金で金庫に保管されていたりと、政治家とカネに関するダーティーなニュースが流れている。「金持ちだから忘れていました」とあっけあかんとコメントし、数年後にばれたら後払いで贈与税を納付して済まされる鳩山首相の例などを見ると、一生懸命納税義務をはたしている我々の税金に対する意識は著しく挫かれる。民主党は彼らの行なった間違いを「形式犯」などとうそぶいているが、本当にそんな言葉でくくってよいのだろか?
若い頃、東京の大井コンテナ埠頭で、業務で訪れた外国航路のコンテナ船からおみやげのアイスクリームを貰った事を税関に申告しなかったばかりに、税関に一日拘束されこってり絞られた事があった。こちらは全く犯罪の意識などなかったのだが、東京税関に「船会社に勤務する者は関税の事など関係の法律を知っていて当然」と強く注意されたのである。「 船会社にいるといっても、本社で営業や企画をしているので、現場の細かい法律は知らなかった 」と言ってもまるで通じないのである。
同じ様に政治家は、税金や政治資金の事については、一般人より格段に注意もし、法も守らなければならない立場にあると云えよう。特に今回問題になった鳩山首相や小沢幹事長は、ベテラン中のベテランである。「忘れていました」の類とか形式犯にすぎないと云う弁明が通るなら、税金の法や民法・商法のほとんどの法律違反は形式犯という事になるのではないか。形式犯という言葉で彼らの罪を糊塗されたら、マジメに納税している市民はたまったものではない。
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