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2009年12月26日 (土)

数字のウソを見破る

飲酒なりストレスなりある生活習慣を続けたり、何かをしたり或いはしなかったりすると死亡率が○○パーセント上がる(下がる)などと言う記事をみると困惑する。人間はいつか100%死ねのに、死亡率が上がる(下がる)とはどういう事なのだろうか。そういう説明の際は、少なくとも、母集団がどういう人達で何歳の時点である行動をとったら、そうでないと明らかに区別される人達と、○○年後に統計的にどの位意味のある差が出たという事が同時に解説されなければ納得ができない。統計の設定方法、分析や意味というのは大変難しいものだと思う。またメタボ検診や糖尿病検診でひっかかる人が日本人の多数を占めていると云われているが、それでいて世界で最も長寿国の一つであると云う事の意味は解説されていないのはなぜだろう。毎日健康にかんする様々な情報が、あらゆる媒体を通して我々に降り注いでいるが、本当の処は一体どうなのであろうか、私などはメディアなどで放送されたデータを前に首を傾げる事もしばしばである。

そんな疑問を常々持っていたので、PHP新書の新刊「数字のウソを見破る」を早速買ってみた。この本は2部構成になっていて、医療・健康パートをテレビでおなじみの中原英臣医師が、社会・経済のパートを科学評論の佐川峻氏が執筆しているが、呼んでみて「なるほど」と得心する部分が多い。医療の部分では健康診断の問題点や、医師不足(実は医師の偏在)、医師国家試験の合格率など、日頃 「 そうだろうな 」と思う事が統計データと共に解説されている。我々は、健康診断の産業医の視点も実際の臨床医の視点も区別がつかないから、出てきた数値に一喜一憂するばかりだが、昨今の毎日メディアーから流される健康キャンペーンを見ると、各自それぞれ違う素因や環境の中で、本当に適切な予防・医療をうけるにはどうデータを捉えたら良いかと考えさせられる。

社会・経済の部では統計誤差がもつ意味を始め、アンケート調査の質問の設定で答えが変わる、設問者に都合の良い様なアンケートの結果が発表されるなどと数字のマジックが指摘される。地球温暖化が本当であるのか、テレビの視聴率は正しいのか、「子供手当て」が有効かなど日頃気になるテーマがデータと共に批評されていて興味深い。なかんづく、ニヤっとうなづいたのは郵便局の衰退の理由である。アンケート調査によって導かれた民営化云々の問題でなく、9時からしか開かない郵便局に対し、今や銀行業務も集配業務も24時間行うコンビニが、郵便局の真のライバルだと云うデータ指摘を、民営化反対などとあさっての方向を向いている民主党や亀井に見せてやりたいものだ。

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