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2009年11月22日 (日)

沈まぬ太陽

映画「沈まぬ太陽」を見た。日本航空をモデルにした3時間超の大作で、ワインとつまみを持ち込んでみた事もあり、長時間の観賞もそう気にならず一気に見終わった。映画の荒筋は、かつての組合の闘志で正義感溢れる主人公がその過激さゆえに左遷され続けるものの、御巣鷹山事故後には遺族係りとなり、誠意をもった交渉約として尽力。その姿勢をかわれ一旦は中枢に復帰するが、会社の置かれた様々な情勢や社会の流れに、再び彼が翻弄されてゆく話である。ストーリーが展開していく中で、勤め人の最大の関心事である人事異動や出世競争などが(随分誇張して表現されてはいるが)面白く描写され、「ああこういうのあるよね」と多数の勤め人の共感を呼ぶのがこの映画の見所だろう。

それにしても違和感を覚えた点が2つある。

1.組合の委員長として過激な戦術を打った主人公に対し、会社は詫び状を入れれば、栄転コースに戻すとさかんに云っているが、あきらかな不当労働行為が判ってしまうそんなレターを会社が書かせるわけが無い、そのコピーを持って労働基準監督局に訴えれば、100%会社が負ける様なものは書状でなく、口頭でおこなうものである。

2.日本航空に入ったら海外勤務、それも僻地勤務ありうべしだろう。主人公がカラチ→テヘラン→ナイロビと転勤させられて大騒ぎをしているが、商社やゼネコン、プラントメーカーなどでは、もっと奥地で大変な思いをしている人も多い。その国一番の大都市で、日本航空なら公用車も運転手つきで社宅も超一流の物件が支給され、おまけに日本への帰国は無料だったと聞く。内規がどうかは知らないが、開発途上国ばかりを廻される破目になったとしても主人公の不遇ばかりを描くのは、世間的にあまりにも恵まれすぎておかしい。

などと云う点はあるもの、サラリーマン物語としてみれば身につまされ、全体としてはなかなか面白かった。それにしても思い起こすのは、「優秀かつ上司にとって可愛げのある人間でも、必ずしも出世するとは限らない。しかしどんなに優秀でも、可愛げのない人間は出世しない」と云うサラリーマン社会の鉄則。「あーあ、こちらはこんなRAT RACE(出世の為の下らない競争)から少し早くおりて、ストレスが減って良かった良かった」というのが、映画館を出る時に真っ先に頭に浮かんだ感想 ( 負け惜しみ? )であった。

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