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2009年10月 2日 (金)

友はありがたいもの

父が90歳で亡くなった。70歳で現役を退いてすでに長いので、ごく近親者のみで葬儀を行なったのだが、父と仲が良かった友人にも一応声をかけたところ、90歳とは思えぬ、かくしゃくとした大柄のご老人2人が、告別式に来て下さった。聞くところによると二人とも、元日本を代表する様な大変なスポーツマンで、うち一人はまだそのスポーツ協会の要職にあるとの事。いや世の中には元気な老人がいるものだと、びっくりする。

この偉丈夫の二人が、通夜の席で隣り合ってお話をしだした。「おい故人の名前は、『○三』と言うが、葬儀の供花には『×一、△二』なんてのもあるから、上がまだ生きているのかい 」などとあたり憚らず、いささかトンチンカンな事をしゃべりだす。「 そういや故人の妹は、大変な家に嫁に行ったけど、苦労したのか? 今はどうしているのかな? 」などと存命の葬儀参列者がひやひやする様な昔話も始める。当人たちはひそひそ話しをしているつもりなのだろうがだが、いかんせん二人とも耳が遠くなっていて内輪話は周囲に筒抜け、老人特有の遠慮なしの会話は一瞬とも止る事がない。話をしているうちに、彼ら2人の間では、段々青春時代の出来事が蘇って来る様で、「故人は大学に入るのに浪人して大変な苦労だったんだよな」などと、家族も良く知らない話も飛び出してくる。二人の掛け合いは、まるで志村けんが、おばあさん役でやる寸劇の様で、そのうちお坊さんの読経より二人の会話の声の方が大きくなってしまい、周囲はおかしくて吹き出したいのをこらえつつ、今にお坊さんが怒りだすのではないかと気が気でない。

そんな、はらはらした気分で通夜のお経をこらえて聞いた為だろうか、40分の読経の時間は思ったより早く終わった様に感じたのだった。いやはや老人の無手勝流は、向かうところ敵なしである事を改めて認識した次第である。それにしても皆で笑いをこらえるのに必死、通夜の席が湿っぽくならなくて良かったし、死しても持つべきものは、良き友人であると感じた葬儀であった。

火葬場では、お隣の扉がたまたまジャイアンツの故土井昭三氏で、大の巨人ファンだった父は、お隣の土井選手に別れを告げながら旅立ったのかと思うと、これまでのいろいろな出来事が走馬灯の様に脳裏に去来して、なぜかしばしほっとした父の葬儀でった。

Bulkcarrier 2009-10-05 20:36:00
まろんの父さま

わざわざご丁寧にお言葉を頂きまして誠にありがとうございます。父はなにぶん高齢でしたし、これまでにも幾度も大病を乗り越えて参りましたから、天からさずかった命をまっとうしたのではないかと、私達は考えております。

今年は、北の大地に2度ほどお邪魔をしました。雄大な大地でのドライブや、おいしい食事を堪能いたしました。これから寒さ増す折り、風邪など召しませぬ様ご自愛下さいますよう。


まろんの父 2009-10-04 20:11:32
Bulkcarrier様

こうしてコメントを書かせていただくだけの身ではありますが、御尊父ご逝去とのこと、お悔やみ申し上げます。最近は友人のご両親様の訃報に接することも多く、改めて自らの年齢を感じたりもいたします。こちら(トワイライトエクスプレスの北の終着駅所在地)は、まもなく紅葉が見ごろを迎えます。元気で今年も紅葉狩りができることをありがたく感じたことでした。

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