JAL 企業年金
JALが企業存亡の危機にあると云う。報道を見ると高コスト体質に、これまでの航空行政のツケが重なった事が主な原因とされている。その再建策の一項目に、企業年金債務の大幅カットとあり、これはOB達にとっては非常に辛い選択であろうと、かつてJALに就職した何人かの友達の顔が浮かんでくる。きっと会社に対する怨嗟の声がこれらOBの間で渦巻いているに違いないと思い「 日本航空の年金を考える会 」等と云うホームページを覗くと、案の定これまでの経営の失敗に対するOB達の声が満載されている。それらを読んでいるうち、調度四半世紀前に海運界が沈没しかけ、多くの仲間去るにあたり、同じ様な怒りがあった事を思い出す。当時は労働組合の役員をしていた事もあり、存亡の危機にあるJALのOB達の悲痛な叫びを読んでいると、その時分を思い出して、まるで自分達の事の様に身につまされる。
さてこれらによると、JALの企業年金は確定給付型企業年金と云うシステムらしく、私が数年前に海運会社を早期定年退職制度で辞めた際の、退職金・年金制度と同じものの様である。ただ問題は、JAL年金の運用の予定利率が4.5%などと高く設定されており、(年金を考える会のホームページでは高くない、とされているが)この予定利率を下廻った際は、その補填は企業が行わなければならない点にある。今は年金の4.5%の運用などできないから、約束した年金支給額と実際の運用との巨額の差をJALが負担しなければならないので、その予定運用率を下げてくれと会社がOBに提示しているらしい。
私が辞める際に会社から提示された年金額は、運用予定が3%を下回るものであったが、疑い深い私は、こんな利率でこの先5年も10年も運用できるはずはない、できない時は会社が補填するから大丈夫というが、未来の事は何が起こるか予想がつかないから会社などを信用などしない、と思っていた。当時、銀行や生保など金融機関の知人に「定期預金の利率がゼロコンマ数%の時に、本当に3%近い運用ができるのか?」と聞くと、皆一様に「年金基金の運用は、その位問題なし」と答え、「いざと云う時は会社が補填するし、年金は一番最後まで守られているのでほぼ信用して良い」との事。それでも性格の悪い私は「日産生命が倒産した際に、日立のOBは年金の減額があったはずだが、企業が倒産したり、年金を運用する金融機関がコケたら、同じ事が起こるのか?」と畳み掛けると、「それは、そういう可能性はなきにしもあらず」と呆れて彼らは答えたものである。
今回のJALの年金減額提案に対するOBの恨みの声を見ていると、退職時にそんな可能性もある事を疑う事なく、なるべく一時金でもらうなどせずに会社の提示する年金の案内を信じて来た人が多い様で、それだけ居心地の良い会社であったし絶対つぶれないと多くの退職者が思っていたのかと伺わせる。多くの国民が、厚生年金や国民年金などの社会保険は先行き不安だ、国のいう事は信用できないと考えているのに、原資が違うとは云え企業の確定給付型年金には、絶対の信頼をおいている事を根性曲がりの私などは不思議に感ずるのである。
たしかにこのJALの年金に関する会社提案は、最後の聖域を犯すもので、受給者や受給予定者には大変辛い選択であろうが、JALほどではないにせよ銀行や運輸省(当時)の思惑で翻弄され続け、資本の論理で最後は強引にねじ伏せられてきた業界から見ると、今回の再建策はやむを得ないかと思うのである。減額幅を小さくする条件闘争に力を入れられたい。 一方JALの株もいくらか保有しているが、株主とすれば今後減資などがあるべし、これも株主の責任・資本の論理と覚悟している。
バルクキャリアー 2010-03-26 23:28:22
甘えた日航は嫌いさま、JAL OBさま。
拙文をお読み頂き誠に恐縮です。
JAL OB様
もう一度良くお読みいただければ納得されるかと存じますが、私はJALの年金額が高いとか低いとか一切言っておりませんし、考えてもおりません。ただOBの方々が退職時に4.5%の年金運用をすると会社から言われた際に、ほとんどの方があまり疑問に思わずサインされた由、これまでのJALはとても居心地が良く皆さんあまり会社を疑っていなかったのだろうと推察し、その事を拙文にした次第です。
私の居た業界は合従連衡が日常だったため、私は基本的には会社を信じておりませんでしたので、退職時に企業年金は3%弱の運用予定と言われても、会社を信じず別の方法を選択しました。(親戚に日立製作所OBの者がいたので、日産生命の破綻で企業年金が引き下げられたのを身近に見た事もあり、企業年金を私は100%信頼していないのかも)
私も妻も株主としてJALの破綻で少なからぬ損害を蒙りましたが、友人や親戚にはJAL勤務者もおります。今はJALが立派に再建する事を臨んで応援しております。
甘えた日航は嫌い 2010-03-26 18:43:40
イチローや松井は、それ相応の活躍をしているのであれぐらいの年俸を貰うのは当然ですね。
倒産した会社に今までの給付率を維持しろって要求する事が、おかしいって思わないんですか。国民が嫌がったのは積み立て不足の解消の原資に税金が当てられる事なんですよ。給付率を維持したければどうやって解消するか具体的な提案をする義務が反対する側にはあるんじゃないんでしょうかね。一日航OB様
JAL OB 2010-03-22 17:50:12
最初に言っておくことは他人の芝生は青いということです。
年金額が高いとか低いとか言うのはその持ってきたbaseがわからないのでしょうね
別に国から優遇されてるわけではありません そのような契約に基づき支払ってきた対価に伴う当然の結果です。そんなsystemに恵まれなかった人はお気の毒様
たとえば貴方はいちろーや松井の年報をおかしといって問題にするのでしょうか
仮に世間レベルといわれるならそれは昔のお上にすがる姿勢に他なりません
失礼ですがTV評論は聞き飽きてます
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