聞くは一時の恥
最近は地下鉄ばかり乗るので、JRを利用する機会が少ないのだが、総武線(黄色の電車)の駅のホームに見慣れぬ表示があるのが気になっていた。このサインがそれで、大抵はホームの中程やや後部にあり、プラットホーム上に直接表示されていたり屋根から下がった形式で掲示されていたりする。非常用の列車停止ボタンではないし、何か特殊な装置がこの場所に設置されているのかと、とても気になってネットであちこち検索したのだが、どこにも参考になる様なサイトがない。普段良く乗る私鉄や地下鉄にもこのサインがあるかと、それらのホームできょろきょろするのだが、どうもJR特有の表示の様だ。
鉄道に乗ると車窓の標識を確認しつつ線路の様子を見たり、架線の構造や継ぎ目などを観察するのが好きなのだが、気になっていくら調べても判らない表示というのは、どうも気持ちが悪い。で、先日、最寄のJR駅で電車を待っている際、意を決して少し手持ち無沙汰にしていた駅員に、このサインは何を表わすのか聞いてみたのだった。「あ、これはホームの限界というか、電車がホームを行き過ぎた時に、運転の都合でここを過ぎたら、いろいろやらなければいけない所の・・・・」なんて答えが、そのベテランらしい駅員さんから返ってきて、ハッと気がついた。
鉄道の安全運転の基本中の基本は、閉塞というシステムで、一つの区間 ( 閉塞区間と云う ) には一つの列車しか入れないことで、安全が確保されている。前の閉塞区間に列車が留まっている限り、後続の列車には赤信号が現示され、前方の閉塞区間に進入する事ができない仕組みなのである。ただ都市近郊の列車が過密に走る線路では、先行列車との距離を極力詰めて運転できるように、安全に止まれる範囲内で各閉塞区間がごく短く設定されている箇所が多い。総武線の様な路線で、もし電車が停止位置目標を大きく行き過ぎてしまい、次の閉塞区間に差し掛かって止まってしまった場合、客扱いの為にバックする事は、後続の電車との衝突と云う大変危険な事態を招くであろう事は容易に想像がつく。
どうやらこの標識は車掌や駅係員に対して、所定の位置に止まれず電車の最後尾が標識の地点を越えていた際にバックする時、その電車は閉塞区間をまたいで戻る事になるので危険だ、という地点を示している様だ。実際に電車が過走し、その位置を越えて止まった様な事態になったら、多分列車指令に連絡の上、後続電車が完全に停止した事を確認してからバックするのではないだろうか。
ウーム、これは目からウロコ、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、思い切って駅員さんに聞いただけで、また鉄道の旅の知識が少し広まったと、嬉しくなったのである。
Bulkcarrier 2009-10-06 20:23:43
第4走(女)さん
みんなが、勉強したりヨットに乗ったりしている時?ひたすら走っていたからですが・・・・・。でも皇居の周囲を走っている女性たちは、皆きれいというか、活き活きとしていていいですね。 これってオヤジ・・・?
Bulkcarrier 2009-10-06 20:10:15
まろんの父様
表示は首都圏でも一部路線にしかないので、大変気になっていました。交通運輸だけでなく、製鉄所など巨大システムの現場は、先人の知恵や歴史、経験の積み重ねが凝縮されており、いつも感心しています。工場見学は何時間あっても足りないくらい好きで、機会があれば参加しています。こういう裏方の小さなステップが重なって日本の現場が成り立っている事は日本の誇りだと思います。
まろんの父 2009-10-06 01:01:05
「閉塞境界標識」がプラットホーム上にあるのは首都圏ならではと拝読しました。以前小田急沿線に10年ほど住んでいた頃には見かけなかったなぁと思い返しております。設置理由はともあれ安全のためには重要ですね。
第4走(女) 2009-10-05 23:33:07
聞かなくても恥はかかないようなオタク要素たっぷりの知識じゃないかなあと思ったのは私だけではないでしょう。
むしろ知ってるほうが鉄男っぽくてなんだかねぇ・・。
今日は雨の中5キロ走ってきました!でもタイムは縮まらないす。(噂によるとBulkcarrierさんはまたすごいタイムをはじき出したとか。すごーい。安泰ですね!)
夫はホモっぽい格好で走ってて、あれで一人で走ってたら勘違いされるわな、という感じでした。
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