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2009年9月 3日 (木)

三菱ふそう、日産ディーゼルのバス統合

三菱ふそうと日産ディーゼルのバス部門が統合されるという。すでに数年前から、日野といすゞは実質的に同じバスを製造してきたから、今後国内のメーカーは日野・いすゞ連合と三菱・日産連合の2グループ体制になるわけである。年々狭まる国内の大型車市場で4社が凌ぎを削って競争する方が無理であるから、この集約は当然の成り行きと思うが、バスファンとしては、これまで各社が工夫を凝らして開発してきた様々な車種をエンジョイできたものが、そのチャンスが減る事になって寂しいものである。

バスと言えば、黄金時代は昭和30年代から40年代にかけての高度成長期ではないか。各社それぞれ創意工夫をこらした、エンジン・シャシーやボディーでメーカー毎におもむきが異なっていて、バスに乗るたびにわくわくしたものである。

昭和30年代で私が一番好きだったバスは、日野のアンダーフロアーエンジン型バス(ブルーリボンシリーズ)。ボンネット型バスの時代が終わり、他のメーカーがリアエンジン車を製造するなか、日野は、後部の座席の居住性向上や騒音に気をつかったのだろうか、バス中央の床下にエンジンを置いていた。ことに日野のディーゼルエンジンのサウンドが秀逸で、このバス音に魅せられた私は、日野のバスが来るまで、何台でも他のバスをパスして停留所で待ったものである。ところが当時、いすゞバスも日野と同じ帝国ボディを架装するモデルがあって、日野が来たと勇んで飛び乗ると、実はいすゞ車だったりして、ひどくがっかりだった事を思い出す。

エンジンサウンドという点では、日産ディーゼルの2サイクルエンジンの音が独特であった。調度アメリカのバスの様な排気音で、いち早く採用した前面ガラス上にひさしがついた富士重工製の斬新なボディとも相俟って、当時の日本のバス標準から数歩抜けているかのような気分がしたものである。

三菱ふそうのバスは、今のエアロ・クイーン、エアロ・キングシリーズの排気音にも似た乾いた音で、呉羽製のボデイも上品なデザイン、日野が来ない時は三菱で我慢しようか、などと良く思ったものである。東京では都バスにふそう車が多かったと記憶しているので、山手線の内側はふそう、というイメージであった。

昭和30年代は、バス事業者によってもメーカーによっても様々な仕様の路線バスが活躍していたが、三菱ふそうと日産ディーゼルのバス製造の統合ニュースを聞いているうち、バスにまつわる当時の懐かしい思い出が蘇って来た。それにつけても、いま路線バスに次々導入されるノン・ステップバスは、どれも同じ様な仕様に同じエンジン音。OEM供給やら経営統合が今後もっと行われると、バスのロマンなどは遠い昔の出来事になってしまいそうだ。

久しぶりに書いたバスの絵は 昭和30年代の日野のアンダーフロアエンジン式バス、”ブルーリボン”
20090903

院長 2009-09-05 01:31:03
実に細かい部分までこだわりが・・・。

参りましたm(_ _)m


バルクキャリアー 2009-09-04 21:33:29
院長先生

バスの前方側面から出た、左折の方向指示器がしぶいでしょ・・・。


院長 2009-09-04 00:31:31
むむむ・・・

兄上、さすがはオタク・・・いえ、乗り物好き!

是非とも、美容室の矢野さんとバス談義をしてみてください!

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