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2009年4月 1日 (水)

メキシコ初寄港

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生まれて初めて海外に行ったのは、今から30年以上前の乗船研修であった。当時は海運会社に勤めている陸上職の男子社員全員が順番に会社の船に乗って数ヶ月の海上体験をしたのだが、私は巨大タンカーやコンテナ船でなく、在来の小さな定期船(カーゴボート)で中米・カリブ海に行く事になった。入社4年目の事であった。日本からこれらの国に電気製品や工業製品のほか、おもちゃや衣類など今は中国で作られる物も当時は日本が輸出していた時代で、これらの貨物で小さな船は満船であった。

早春の時化模様の太平洋を2週間もかけて横断して、初の寄港地ロスアンジェルスに近づくと、入港の半日くらい前から、持参のラジオにアメリカの放送が段々鮮明に入るようになり、「ああ初めて外国に来たんだな~」と感激したものである。

さてその航海ではロスからメキシコのマザトランかアカプルコまでの、途中の積荷が予定されていたのだが、ロス入港直前に本社からその荷物がキャンセルになり、ロス出港後はパナマ運河まで直行せよとの指示が入った。当時の日本船は30人以上の日本人が乗り組んでいた時代で、皆一同に「物価の高いロスでなくメキシコではゆっくり上陸したいものだ」とがっかりした事を覚えている。

さてロスを出て数日後、アカプルコの沖を通過したのだが、その時は船長の粋なはからいで、キャンセルになったアカプルコ寄港の代わりとばかり、わざわざ船のスピードを落とし、航路を外れリゾートホテルや遊泳する人たちが望遠鏡で望めるくらいまで海岸に近寄ったのである。多分ログブックにはそんな離路などは記載していなかった事であろうが、おおらかな時代であった。

それ以来、メキシコは一度訪れてみたいものだと思っていたのになぜか縁がなく、ここまで来てしまった。今回はこの船のクルーズ先がメキシコ太平洋岸であると言う事で、かつて逃した上陸のチャンスを実現してみたいものだと思い、乗船したのである。

今日は、初めてのメキシコ中部の港、プエルトパジャルタに上陸しスペイン語が溢れる町を散策できて30数年ぶりの希望が実現した気分であった。いよいよ明日は、その昔寄港するかもしれなかったマザトラン入港である。

それにしても当時は、その研修が終わったら不況の海運会社をさっさとやめてしまおうかと考えていたが、ここまで永く海運業界に携わってくるなどとは夢にも思わなかった。色々な思いが蘇るメキシコ沖である。

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