安全祈願式
1月13日に進水した船( 同日付けの”軍艦マーチのお仕事”にアップ )の2ヶ月に亘る艤装工事が終了し、昨日、九州の造船所から船主に引渡されたので、その竣工/引渡し式に参列。春霞みの豊後水道へ本船が処女航海に旅立つのを見送る。
当日は朝一番から造船所の事務所で、船主から造船所に建造代金が支払われている事を確認、所有権の移転に関する諸書類のやり取りが行われたのだが、この辺りは不動産の売買・引渡しと同じである。で諸書類のサイン・交換などが済むと、岸壁に繋がれたピカピカの新造船内を見学した後、本船のブリッジに祭った海の神様・金毘羅神社の祭壇で安全祈願式を行う。
パナマ籍でフィリピン人が乗り組む本船だが、実質日本船なのでここは日本の神様がこの船の守り神になる。フィリピン人クルーは、キリスト教像やマリア様の写真などを部員(一般船員)食堂や自分のキャビンに祭ったりしているので、船内は神仏混交の状態といえばそうなる。フィリピン人船長がぎこちなく玉串奉奠に参加するのは少々違和感がなくもないが、まあ日本は古くから神仏混交でやってきたから良いかと思う。でも唯一絶対神を信仰するキリスト教の立場からみたらどうなのだろう、などと余計な事をいつも想像してしまう。
さて陽春の海を背に船出までの間、しばらく時間があったので後部デッキに佇み海を眺める。この船が一つの製品として完成して「生き船」になり、今後長い間いろいろな国や人々が必要とする物資を運ぶのだが、ここまで来る数年間に、私なりにこの船に関わり、参加してきた仕事がここで一段落したわけである。実際の営業や現場に関係したオペレーションの事はもとより、契約事項さらには係争案件などでもそうなのだが、何か一つの仕事が一段落してホッと一息、本船のデッキに立って光り輝く海を眺める一瞬が私は好きである。たとえ大きなトラブルがあって訪船したとしても、その仕事の目処がついた時にこうしてデッキから海を見ていると 「 ああ、この仕事を選んで本当に良かったなあ 」といつも思うのである。
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