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2009年3月12日 (木)

人に好かれようなんて、おやめなさい

しばらく曽野綾子のエッセイを読んでいなかったが、昨日の日経夕刊に「日本で貧困ありえない」と言う氏の談話が掲載されて、久しぶりに曽野氏の言葉に触れて清々しかった。「貧困とはその日、食べるものがない状態」 で、その意味では日本に真の貧困はないと氏は言う。理想ばかり先に立ち、かなえられないと不満を募らせる日本人より、絶望と貧困の中で暮らす人達に、彼女は常々理解と共感を持っているのである。

ヒューマニストとか人道主義者、人に優しいと自称する人などが、この世で一番困った人であると氏は度々著書に記している。反戦や平和を語り継ぐだけで、平和などは維持できない、贖いがたい血や多大な金を出さなければ平和などを勝ち取れないと言う。また人に優しいという人が、真に自分の身を切ってまで他人に尽くす覚悟があるのか、ぎりぎりの選択ができるのか氏は問うている。

一方で、個人の日常レベルの困難な場面では、うまく身をかわしながら、ほどほどに生きていける人が人生の達人だと彼女は説き、「良い人を止めると楽になる、人から好かれようなんておやめなさい」 「少々だらしない人間だと思われた方が、期待もされないから楽ですよ」と言う趣旨で完全主義を戒めている。

クリスチャンとしてアガペー(自己犠牲的的な愛)の問題を問いながら、人間の心の深い淵や闇も見通しつつ記された曽野氏のエッセイからは、一人の人間として生きる覚悟が伝わってくる。曽野氏の様な強さも潔さも持ち得ない私には、その著書から常々何がしかの勇気を受け、事に及んでは人間として矜持を保って生きねばと自戒をするのであるが、なかなかそう行かない自分に嫌悪する。

さてこの様な本を書いたり発表したりする人の中には、しばしば実生活が日頃言ってる事と反対であったりしてがっかりする例がある。先日、もとスッチーだった同級生に会ったが、フライトの際に曽野氏の係りになった事があったと聞いたので 「本当の処は機内ではどんな人だった?威張ったり横柄だったりしなかった?」と聞いたら 「とても気配りの効いた素敵な人だったよ」と彼女から聞いて、曽野氏が益々好きになったのであった。

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