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2009年2月 1日 (日)

大和プロジェクト

新聞報道によると、太平洋戦争末期、沖縄特攻作戦の為、鹿児島県・坊の岬沖で沈んだ戦艦「大和」の主砲などを引き上げる構想が、旧母港の広島県呉市で持ち上がっているそうだ。本来は沈没した船体全部を引き上げたいのだが、費用的に見通しがたたない為、艦の前部や主砲のみが対象になるが、それでも費用は数十億円かかるそうである。

呉は仕事で良く訪れる場所で、大和を造った旧海軍工廠の後に、今は大きな民間の造船所があり、海上自衛隊の基地や、大和ミュージアム、てつのくじら館(海上自衛隊資料館と潜水艦の展示)など、旧海軍鎮守府の名残をあちこちに感じて、こんな運動が盛り上がるのも納得できる。

しかしフネに限らず、鉄道などの保存車両でも感じるのだが、ノリモノはやはり”動いてなんぼ”の物である。いくらきれいに保存していても、最早その機能を失って展示されている車両などは、魂が抜かれた鉄の塊に過ぎないとしばしば感じるものである。大和も仮に主砲や前部の構造物が引き上げられ、修復再現されてもそれは「博物館の展示物」に過ぎないのではないだろうか。

それよりむしろ、あらたに大和を再現した同じサイズのフネを建造したらどうであろう。呉には大和を造った造船所もある。軍事機密で設計図などは焼却されているのかもしれないが、何かの手がかりは残っているだろう。何も当時と同じ厚さの装甲用の鉄板を使用したり、防火隔壁を造る必要はない。一般商船用の厚板を使い、エンジンもディーゼルエンジンの2万馬力程度で充分。引き上げた主砲一門だけは見学用に甲板上に置いて、それ以外の装甲はもちろんイミテーション。長さ263米、幅37米位の商船なら今では建造費は50億円くらいだから、この新「大和」100億円もかければ一応格好がつく模擬の戦艦になるのではないだろうか。国民一人が100円程度の負担をすれば良い。完成後のメンテナンス費用も乗り組員はボランティアを募って動かせば年1億円くらいであろうか。週末などは瀬戸内海で体験航海を実施し、燃料代は乗艦者から徴収できないものか?

いくら偽物とは言え、旧大和と同じ大きさの巨大戦艦が瀬戸内海の波を切って進んだら、どんなに素晴らしい事だろうと想像する。大艦巨砲主義から航空機主戦にいち早く目をつけ真珠湾攻撃に成功しながら、その後幾多の迷妄を重ねた帝国海軍。マリアナ沖海戦で連合艦隊が事実上壊滅した後もシンボルとして後方に控え、遂には沖縄特攻作戦に従事し、東シナ海の藻屑と消えた当時のエース「大和」、その技術的な完成度と戦争の悲惨さ、歴史の再点検の為に、「大和」再現の国民運動などができたら良いのにと思う。

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