HOLLAND AMERICA LINE
英語では、"DUTCH"(オランダ人)と云うとあまり品の良くない事を、からかい半分に云う単語が多い様である。 Dutch Auctionは 「せり下げ」、 Dutch Courageは 「酒を飲んだ上でのから元気」、 Dutch Uncleは 「がみがみおじさん」、 Dutcg Accountは 「割り勘」、 Dutch Rollは 「千鳥歩き」などなど。何故 "DUTCH" がからかいの言葉になるのかについては、17世紀英国が海上で勢力を伸ばそうとしていた頃、世界各地でオランダが英国と激しい覇権争いをしたので 「オランダ憎し」 の感情からそう云う英語が多いと 「物」 の本にはある。丁度、大英帝国の伸展と共に、英語の語彙が増え影響力も増大していた頃の話なのだろう。
今でも、オランダはヨーロッパでは一流の海運国で、たまたま私はロッテルダムの海運会社とこの2年程仕事で濃密に付き合っているのだが、一口で云うと 「タフ!」。浪花節が判らないでもないのに、最後は引き下がらない。海運業界ではギリシャ人とオランダ人は同じヨーロッパの人達からも、「ああやっぱりあいつらはエグイね」 と云われる様な存在であるらしいのだが、DUTCH がからかわれるのもこんな硬い気質が理由なのか。
そんなオランダ発祥の代表的な客船会社は HOLLAND AMERICA LINE、ロッテルダム号やニューアムステル号など、古くから大西洋を横断する多くの豪華客船を運航している名門会社で、近年はアメリカを中心にクルーズ事業を幅広く展開している。この会社も他のクルーズ船と同じく、接客スタッフはインドネシア人などアジア系、会社は実質米国の資本なのだろうが、スケルトンスタッフや運航の要所は、オランダの気風や伝統がかなり残っていそうである。仕事上で相手にすると厄介な彼らも、こちらがプリンシパルになれば実に心強い味方になってくれそうな予感もする。
HOLLAND AMERICA LINE の伝統として10万トン以上のメガシップは造らず、フリートは5万トンから8万トンの中型船のみ、リーズナブルな価格でプレミアムクラスのサービスを提供しているのも好感が持てる。何より濃紺と白に塗り分けられた船の形がどの船も大変優美で「船らしいフネ」の形をしているのがたまらない。
同社の船はロッテルダムやスタテンダムという様にオランダのダム(堰)という地名を船名にしており、アメリカ各港で行き交った際は格好良いなといつも思っていた。何時の日にか船上の客となって、今、相手方として仕事上で苦しめられているオランダ風の流儀を、今度は客として精一杯享受してみたいものだ、と密かに思っている。
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