暗い過去
今日は、久しぶりに妻と私の二人とも何も予定の入っていない土曜日、天気も悪く久しぶりに家でまったり過ごす事に。先週の新宿シティーハーフマラソンで、途中の距離表示がない、と言う前代未聞の出来事にのけぞってしまい、昨年の記録をかなり下回った事で今週は疲労感もひとしお。(この件では大会事務局の正式な謝罪がホームページであった他、私の抗議メールにも丁寧に返事が来ており、その後の対応は一応評価している)今日は丁度良い休養日か。
で、午後のひと時は何となく、旧いCDを聴くともなく聴く事にし、棚から半ばランダムに選んだのはポール・モーリア。「恋は水色」に続いて「オリーブの首飾り」などお馴染みの曲を聞いていたのだが、余りにもオールド・ファッションなので、妻に「この曲つまらないよね?」と断りを入れておく。妻はビリー・ボーン楽団などの古い演奏を聞いていると、「エー、いらっしゃいませ、いらっしゃいませ~。本日は鰹のタタキ1パックが300円、国産鰻の蒲焼は800円です!」などと横で店内アナウンスの真似をする。確かに昔のスーパーの特売品売り場ではビリーボーンの「真珠貝の歌」などがラジカセから流れてきそうなので、今日もからかわれる前に先手を打っておこうという事である。
ところが妻は「実はね…」と笑いながら何かを言い始める。何だと思って聞いていると「大学の時、古典ギター同好会が学園祭でギター喫茶店を出したんだけど、その時に皆の前で『恋は水色』と『オリーブの首飾り』を弾いた事があるのよ」「知らなかったでしょ?」と言う。「でも何か雰囲気が暗いから一年で止めたの、練習サボるとうるさいし。タダで古典ギターを弾けるようになると思ったんだけどねー」との事。
それを聞いた瞬間、私も 「暗い過去」 があった事が突如、脳裏に蘇った。何を間違えたか中学1年の新入生の時に、放送研究会に入ってしまったのである。まったくアナウンスとか放送関係の機器とか、電気などに興味があった訳ではないのに、なんとなく「ラクそう」だと思ったのだろうか。皆やさしそうな先輩だったが、放課後、うす暗い放送室に集まって、何やらマニアックな話を延々とするのを聞いているうちに、明るい窓の外で運動をしている仲間が急にうらやましくなった。結局2週間くらいで辞めて、それ以後大学を卒業するまで運動部にいたのですっかり記憶から消し去られていた。あの放送研究会に一旦入った時は、一体どういう心境だったのだろう、と今日は懐かしくも不思議な気持ちになった。
ふとした瞬間に今まで自覚していたのとは別の自分もあった、という事に今日は気が付くと共に、記憶の奥底にしまってある事で日常生活では全く思い出さないことが随分沢山あるのだろうな、と感じたのだった。
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