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2009年1月10日 (土)

サミュエル・ハンチントン氏死去

12月24日、国際的な政治学者で「文明の衝突」の著者、サミュエル・ハンチントン氏が死去した。81歳であったそうである。昨年9月にこのブログに書いたとおり、この「文明の衝突」の原書講読に昨年は挑戦したのだが、年末までには320頁の同書の内270頁までしか読めず、年内に読み切るという当初の計画が達成できなかったのは、少々残念であった。内容が主にイスラム圏や、中東、東欧などの事で、そもそも読む側のこちらにベースとなる知識がない為、例えば"and"という接続詞があっても、どの部分がつながっているのか、読み方次第では反対の意味になったりで四苦八苦。もちろん「あんちょこ」の和訳本を、ちらちら眺めながらであるが、一日に眠くならない程度の10分から20分位の読解では、一年で270頁が精一杯で、これが私の英語の実力なのか根気のなさなのか。

さてハンチントン氏の逝去で、彼の1995年に書かれたこの本が改めて見直されているのか、新年の新聞には、あちこちにこの本の内容が引用されている様である。今日も読売新聞の一面のコラム「大波乱に立ち向かう」では、本書を参照した上で、「キリスト教文化圏とイスラム融合の為にはトルコのEU加盟を促進したい」というトルコの作家の主張が展開されている。

1月7日の日経の経済教室「中東の混迷も見落とすな」でもこの本に言及しつつ 1)人口急増するイスラムが「自己主張」強める 2)イスラムの若い世代の多さが失業やテロの温床に 3)トルコの世俗主義に学びつつ中東市民の「意識改革」が重要である、と中東問題を捉えている。

もともと中東などは、私にとって「遠い国」ではあるが、「文明の衝突」をなんとか読み進めるうち、こんな記事もちらっとばかり気に留める様になった。1990年代初頭は共産主義の崩壊で世界はこれから融和に向かうという論調が多かった中、氏が本書で提示した世界秩序が、9.11という衝撃的テロやその後の15年間の世界の混迷で正に出現しているのを見るにつけ、この本の先見に驚く共に、近いうちの読了をまずは新年の課題としようと思った。

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