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2008年9月19日 (金)

汚染米騒動

汚染米騒動の原因の一つにMA(ミニマム・アクセス)に拠って、国際的に輸入を約束した米の処分に困っている問題があると言う。

1993年・日本の冷夏、米不足と時を同じくして急浮上したGATT、ウルグアイラウンドの農業問題。世界的な貿易自由化の流れに抗して、国内農業関係団体の圧力をバックに、当時の食糧庁は、米の輸入に対して関税化でなくミニマムアクセスを選択した。すなわち米を輸入する際は、関税率の高さで内外の格差を是正して国内農家を保護するのでなく、需給に拘わらず毎年最低限の数量の米輸入を国際的に保証する代わり、関税による調整を行わない事にしたのだ。簡単に言えば、毎年何があろうと一定の量の米輸入は実行する代わり、米市場を価格競争というマーケットにさらさない、と言う宣言をしたのである。

1993年当時、アメリカに駐在していた私は、戦後初めてわが国が米を輸入するという事で、カリフォルニア米の輸出港サクラメントやストックトンに毎週赴き、関係農業団体・役所・港湾関係者と綿密な打ち合わせを行い、米の安全輸送に万全を期した事が懐かしい。同じ岸壁からはパキスタンや中東向けの加州米が、毎日の様にいとも簡単に輸出されるのに対し、日本向けは大変な検査と労力と関係者の注意を集めて船積みされていたものである。それは日本人の米に対するセンシティブな心情の表れとも云えるし、予算が付く限りコストを無視する役所仕事の典型の様にも思えた。

関税化を避けミニマムアクセスを国策として採用すると聞いた際は「貿易に拠って立国するわが国が、農林族の圧力でなんとおろかな決定をするものだ」と内心憤ったものの、輸送を担当する船会社としては毎年何があっても必ず一定の数量が必ず輸入される事は、配船繰りで大変ありがたいものだ、ほくそえんだものである。

案の定、昨今、国際的な食糧の値上がリで内外の価格差が急速に縮まっている上、食の安全問題が急浮上しており、不必要な米を毎年必ず輸入するより関税で調整した方が有利であった、と反省する動きが出ているとニュースは伝えている。不必要な輸入米が大量に倉庫に保管されている事が、事故米の不正処分を促進した遠因になっているとも云う。国際的流れであの時関税化を受け入れていれば、今頃安い関税になっていたって国民はおいしい国産の銘柄米を食べているはずだし、大量の輸入米の在庫もなければ、今回の汚染米の騒動もなかったかもしれない。

あたり前田のクラッカー、みんな判っているのだが伏魔殿の様な農水族の声に国策が誤り、国民(消費者)が迷惑を蒙る典型的事例に思えてくる。

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