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2008年8月 7日 (木)

多分、私が日本一?

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ミッチ・ミラーと言うと50才以上の人ならどこかで聞いた事がある合唱団だな、と思い出す人もいるかもしれない。往時の大ヒット「史上最大の作戦」や「大脱走」のマーチを歌っている合唱団だ、と言えば「ああ、あれか」とわかるだろう。ひげのリーダーが楽しそうに指揮を執り、バーバーショップミュージックを中心に歌っている合唱団である。バーバーショップミュージックとは、昔アメリカで床屋が町の社交場だった時代、そこに集まった歌好きが、民謡や土地に根ざした歌を合唱した事から名づけられた音楽と言う。伴奏も簡単なアコーデオン位で主にアカペラで楽しむジャンルである。

昭和40年ごろだったと記憶するが、ミッチ・ミラー合唱団がアメリカのテレビでバラエティーショーをもっており、それが少し遅れて日本でも放映されていた。たしかショーの題名が「ミッチと歌おう」と言ったはずだが、日曜の昼過ぎNHKから、男性の大合唱団の馴染みある音楽が流れてくると「あ~、今日は日曜でのんびりできるな~」と心から思ったものだった。(その頃は、牧伸二の『あ~あ、やんなっちゃた、あ~あ驚いた~』の大正テレビ寄席とこのミッチ・ミラーのショウが日曜の昼の楽しみだった。)

私は、晩生(おくて)の中学生であったから、当時「ヒットパレード=ヒッパレー」に出てくる若い女性アイドル歌手や、海外では売り出し中のビートルズなどに興味はあっても、素直にファンにもなれず、ちょうどテレビといえば「コンバット」歌と言えば「ミッチ・ミラー」というバンカラ路線を歩んでいたのだが、そんな心持ちもこの合唱団の名が私の心に深く刻まれる理由の一つだったであろう。

その後もお正月のテレビで「黄色いリボン」がリバイバル放映などされる都度、テーマを歌うミッチの歌声を聞いているうちに、いつの間にかこの合唱団のファンになっていたのだった。

なので、今でもアメリカに出張に行くと、町のレコード屋さんに入り、OLDIESのコーナーでMで始まる歌手の棚、私の知らないミッチのCDアルバムがおいてあるか必ず調べる事にしている。若い店員の中には「ミッチ・ミラーがないか?」と聞くと私の発音が酷いせいかもしれないが「はあ~? それ誰? 人の名前?」位の回答がかえってくる有り様で、この合唱団のアルバムは今では希少になってしまっている。

それでもこの15年で集めたCDは8アルバム(9枚)レコードが2アルバム(4枚)ざっと200曲以上のコレクションになった。多分音楽業界に関係ないただの愛好家としては、私がミッチ・ミラーのアルバムを日本で一番保有しているのではないか、と勝手に想像している。テンポが良く力強い彼らのバーバーショップミュージックは、今でも楽しい時は気分をより盛り上げ、落ち込んでいる時は引き上げてくれている。

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