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2008年5月17日 (土)

究極の物欲

仕事のストレスで物欲メーターが極度に高まっている妻が、ディーラーのセールスも顔負けの熱心さでカブリオレ(オープンカー)の購入を勧めてくるが、「スカイラインのオープンが出たら買う」「ウィンカーの操作が今のと反対側」「FR6気筒でない」などといなし続けていたら、週末とんでもない物を見にいくハメになった。

もともと妻は小型船舶免許を取るほどフネ好きなのであるが、客船クルーズに出かける際には双眼鏡を持って貨物船やタンカーをワッチするのに余念がない。200m以上の巨大船がタグボートを従えて航路を航行するのを見て興奮している。東京湾海上交通センター公開日に合わせて観音崎灯台見学に行き、浦賀水道航路を行き交うフネを眺めて楽しんでいた事もある。観音崎では「こんな所に住んでいたら一日中船が眺められて楽しいね。週末用に賃貸マンションでも借りようか」等と言い出したが、軽く相槌を打ってそれっきり忘れていた。

しかし彼女は本気だった。どころか勢いを増していたのだった。浦賀水道航路を臨む久里浜港で新築のオーシャンビューマンションが発売になることをネットで見つけ出し、カタログを取り寄せ、週末に見学に行くから連れて行ってくれ、と言い出した。

今から不動産を買う気か?とわが耳を疑ったが、不動産会社のセールスも顔負けの熱心さでその物件がどれだけ素晴らしいか熱っぽく語る。まぁその場で決めることはないだろうからドライブがてら付き合うことにした。

都心から湾岸道、狩場線、横浜横須賀道路と順調に走り、1時間とちょっとで久里浜港に到着した。金谷に行く東京湾フェリー乗り場と釣り船の基地があり、いかにも田舎の港、といった風情。振り返ると京急久里浜駅に向かって平坦な道。車でわずか1時間でこんなに雰囲気が変わってしまうとはちょっとした驚きである。マンションは水産工場の跡地の岸壁まで数メートルの場所に建つ予定で、東京湾フェリーの入出港が眼前とこれだけで妻は舞い上がってしまった。

マンション販売現地センターで勧められた部屋は、目の前に海、その向こうに浦賀水道航路を行き交う大小の船舶、さらに房総の山々が一望。この雄大な景色を眺めながら入れる眺望バスまでついている。一方裏側は皇居より大きそうな公園がすぐ近くにあって夏は蝉時雨、春秋は鳥の鳴き声でにぎやかだろうな、というロケーション。思わず海を見ながら風呂に入り湯上りビールを明るい中から飲んでいる自分の姿がイメージされてくる。思わず「ここ良いじゃない」とのど元まで出かかる。

現地販売員のセールストークに危うく乗せられそうになるのだが、そこはそれ、週末用マンションなどを簡単に買うほど度胸もカネもない。「まあ家に帰ってじっくり考えてみよう」と乗り気の妻にブレーキをかける事に。お値段も予想以上だしここは時の経過に身を任せよう、と考える。

帰り道、車中で聞いたら、気に入って値段がイメージ以内だったらその場で自分で買うつもりだった、と昨年の自分の源泉徴収票と印鑑を持参していたそうである。ここでこのマンションを見送ったとして次は何を言い出すか。いやはやストレスとは恐ろしいものだ。そのうち本物の貨物船を買うと言いださない事を祈ろう。

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