2020年10月27日 (火)

半日鉄道プチ旅行

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買ってきた「鉄道ジャーナル」の最新号を読んだいたら無性に電車に乗りたくなった。考えてみれば最近乗るのはもっぱら暗闇の地下鉄ばかりだ。テレワークの日々だが窓から外を見れば絶好の外出日和、さして急な仕事もない日に、一日中家のパソコンの前に座ってなぞいられない。思いたったが吉日で、午前中にお隣埼玉県の川越まで行きは西武鉄道で、帰りは東武鉄道で往復し、電車に乗るのを楽しむことにした。仕事は午後ゆっくりやればよいと割り切り、まずは高田馬場まで東京メトロの地下鉄で行き、西武新宿線にそこから乗るのだ。西武新宿線は大手私鉄の幹線としては、いまどき珍しく地下鉄との相互乗り入れがなく、沿線の景色が「昭和」を思いおこさえてくれるのが旅心を刺激する。


朝のラッシュも過ぎたころ、高田馬場から乗った下り川越行き急行電車は予想通りガラガラの車内で、例によって運転席直後の「かぶりつき」に陣取った。乗車した2000系2084は、マスコンとブレーキハンドルが別々の運転台で、いまふうなVVVF制御でない「在来」車。武蔵野を走る無骨な鉄道らしい普通鋼に黄色の車体で、いかにも「西武鉄道」の電車という外観が良い。高田馬場駅を出て10分少々、都内23区を出るあたりから、周囲に緑や畑も見え早くも郊外に来たことが実感できる。前を見ていると、あちこちで路盤や線路脇の改良工事をしており作業員が振る安全確認の小旗が目立つが、「ローカル感が漂う」などと揶揄される新宿線も、見えぬところでさまざま改良工事を行っているようだ。こうして運転士の後ろで信号確認やら速度制限、力行・惰行票などの喚呼を心の中でしていると、なにやら自分が運転士になった気になってくる。


川越まで一時間弱の西武の旅を終え、次は折り返し東武東上線で池袋に戻る旅である。乗り換えのため西武新宿線の終点・本川越駅から東武東上線の川越市駅までは歩くが、そこは徒歩10分もかからない距離で、何ということもないごく普通の地方都市の道だ。用もないのにわざわざ川越まで来たのだから、土産の一つも探そうかと思っているうちに、何の収穫もないままに東上線の駅前に着いてしまった。帰路久しぶりに乗った東武東上線は、私の知っていたかつての東上線とは別の鉄道かと思える変貌ぶりだ。昔は東上線と云えば、主要駅に東武労組の旗がはためき、昼間から運転席後ろのブラインドは閉められ、運転士は発車待ちまで漫画を読んでいたものだった。時代は変わり今や赤旗など見られず、職員も制服をきちんと着こなして規律ある仕事ぶりに見える。


乗り込んだ「かぶりつき」は30000系31606でこちらの運転台はワンハンドル、ATC制御で車両情報がすべて運転席前のモニターに表示される形式である。そのために前方の信号表示を確認すると云う「かぶりつき」のお楽しみは半減するが、デジタル表示の速度計やブレーキ制御針の動きは見ていると面白い。この東上線は昔は都内を出ると田や畑ばかりの田園風景だったが、線路の周辺一帯はすっかり住宅地に変わり、今や志木から和光市までは地下鉄有楽町との複々線となっている。和光市駅で東京メトロ有楽町線に乗り入れる東急5000系を見ると、一瞬「ここはどこだっけ?」と混乱する。かつては和光市は大和町と云って、工場に一面畑だったのが変われば変わるものである。こうしていろいろ驚いているうちに終点・池袋に到着して、あっという間に半日のプチ鉄道の旅は終わってしまったが、思い立った日に用もなく電車に飛び乗り数時間、沿線の景色や変貌を楽しむのもよき気分転換だと思った。次は都電荒川線か東急世田谷線に乗ってみようかと計画しながら午後の仕事でパソコンに向かっている。

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2020年10月24日 (土)

飛鳥Ⅱ30周年オープニングクルーズ乗船・乗船前のPCR検査

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届いたPCR唾液検査キット

飛鳥Ⅱの運航が再開されるので、そのオープニングクルーズに乗船することにした。11月2日(月)から文化の日を挟んで3泊4日で清水に寄港するクルーズである。中共があのいまいましい武漢ウイルスを発生・拡散させなければ、今頃は本船の2020年ワールドクルーズの余韻に浸っていたところだろうが、まずは10か月ぶりのクルーズ再開、そして改装後初の営業航海を祝しての乗船となる。今春おきたダイヤモンド・プリンセス号での集団感染事件からクルーズ船は大丈夫か、との心配の声もあろうが、飛鳥Ⅱは先に報道陣や関係者を乗せて横浜から神戸まで試験航海をしており、運航再開にあたっては万全のウイルス対策が施されるという。


ということで、まずは乗船客には出発一週間前に唾液を使ったPCR検査キットを提出することが要求された。さきほどそのキットが届いたのだが、唾液摂取の前一時間は喫煙・飲食禁止の上、手を洗っておごそかに唾液を容器に入れろとキットの指示書にある。健康診断の際の検便のように検体を容器に入れてハイおしまい、ではない上、採取ばかりかキットの発送にも面倒な手続きが多い。特に検査会社への登録や結果の通知はスマホかパソコンからの入力が必須となっているので、高齢者が多い飛鳥Ⅱの乗船客が簡単にできるのだろうか。今頃は検査会社に問い合わせの電話が殺到していると思われる。


この検査をパスしても、クルーズ前日より遡って14日間に発熱など身体の異常があったり、海外の渡航歴のある人は乗船できない事になっている。やっと乗船しても船内ではマスク着用はもちろんのこと、5デッキのピアノバーやツアーデスクのほか、6デッキにあるクラブスターズ(カラオケバー)やカードルーム、麻雀サロン、さらに大浴場にあるサウナが閉鎖されると乗船案内にある。またセイルアウェイパーテイーやダンスタイムなどもなく、食事のテーブルは1テーブル三人までの指定席制、それも無粋なアクリル・パ-ティションで仕切られているようで何とも違和感ただよう雰囲気になりそうだ。しかし集団感染が起きれば日本の客船ビジネスは致命的なダメージを受けるだろうから、ここで乗客が協力するのはやむを得ないところだ。


キャビンも当分の間は、バルコニ―付きまたはスイートと高い部屋のみの販売で、利用するDバルコニーは代金が3泊で258,000円/人とあって、海外の小型ラグジュアリー船並みである。ただしGO TOトラベルキャンペーンの補助に日本郵船の株主優待、旅行会社のリピーター割引などを使った上、一人18000円の地域共通クーポンはフォトショップや船内売店などで活用できるため費用的にはかなり助かりそうだ。また夕方7時以降は今回はフリードリンクなので、改装された露天風呂を楽しんだ後はゆっくりと無料のビールを飲み、あまりあくせくせずに久しぶりの船上生活をゆったり楽しもうと思っている。こんな状況下のクルーズも、将来思い出に残って良いかもしれない。

2020年10月16日 (金)

「リベラルの敵はリベラルにあり」 ちくま新書

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いま話題になっている日本学術会議の会員推薦問題でも水田議員の「女性はいくらでも嘘をつく」発言にしても、ネットニュースの意見欄を読むと、そこには政府や水田氏を擁護する反リベラル派の声で満ちあふれている。20年ほど前であったら菅首相はけしからん、水田発言は問題だと彼らは大いに叩かれたのであろうが、世の中の風潮がたしかに最近は右寄り(私にすればこれがごく常識的な考え方なのだが)になっていることが実感できる。それにしてもなぜリベラルはこれほど退潮してしまったのだろうか。今までもなぜリベラルはアホなのかという類の本を幾冊も読み都度ブログにアップしてきたが、本屋の店頭で新刊「リベラルの敵はリベラルにあり」をパラパラとめくると気鋭の学者が自分の言葉で真摯に筆を執った本であることがわかり、これならと購読してみた。


著者・倉持麟太郎氏は1983年生まれと云うからまだ37歳で、慶應の法学部を出た憲法学者らしい。憲法学者などと聞くと大体がサヨクかと思うとおり、彼は2015年の安保法制の際には日弁連から論点整理の指名を受け、衆議院公聴会で意見陳述もしたというから、やはり政府に反対の立場だったのだろう。本書でも著者はリベラルだと自認しており、今のリベラル低迷気運が彼らの側から見ればどう解釈されるのかは興味深い。この本では、まずリベラルとは自立した合理的で強い個人であるという前提で議論が始まるが、本当は人間はそんなに強いものでない、という事で著者の論義は発展する。こうして本書では社会的に「弱い」と自覚する層(例えばLGBTたち)の承認欲求が、政局のなかでリベラル派の基盤になりすぎたために、ごくふつうの日本人の支持基盤を失ったことが彼らの退潮の要因であると倉持氏は指摘する。なかんずくネットの発展が社会を分断したという通説は間違いだとする説明がなかなか説得力を持っている。


憲法改正については「左派リベラルの市民運動は・・・どんどん蛸壺禍し」「ごく一部の『過剰代表』が過度に言論空間をシェア」した結果「憲法自体が政局の道具として利用され、その中身の議論がされないことだけでなく、そのことによって憲法論議が政治的分断を助長」し「この国の政治への無関心やニヒリズムを助長」したと憲法学者である著者は指摘する。この点は私も常々リベラル派が低調である大きな原因だと考えていたので「なんだ本当は彼らの側にもわかっている人間もいるのだ、皆がバカではないのだ」と読中に少し安堵感を覚えたものだ。リベラル派にとって要点は分かっているのに政治の現実がそうならないのは、護憲やLGBT、反原発など彼らのお得意様である特定層の票があまりにほしいばかりに、これらの過剰代表の声に負けて議論を封殺したのだと本書は説く。


リベラルが想定する人間とは、もともとは合理的で強い個人であるはずだったが、そうでない層や一部の先鋭的な意見を取り込み、そこに拘泥して彼らにもっぱらサービスするあまり、一般の人々からそっぽを向かれたのが今のリベラルの停滞に繋がったというのが倉持氏の論旨のようだ。まさに「リベラルの敵はリベラルにあり」である。ただ本書は全体を通じて文章が生硬でこなれていないし、一つのセンテンスに多くを盛り込みすぎてるのは、筆者初の単著であるという気合の表れであろうか。やけに難しい表現が続くかと思うと、いきなり若者言葉が出現、はたまたクラシック音楽やオペラの例が出てきたりして論点が希薄になっている感じがした。また引用文献が憲法学者のものが多いのも物足らないところだ。それでも内容は濃く筆者自身の言葉で本を紡ぎ、意気込みを感じさせる力作であった。リベラル派といえども今後を期待したい学者だと思った。

2020年10月12日 (月)

GoToトラベルキャンペーン・みなと荘

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台風の接近が危ぶまれた中、週末は箱根・大平台にある東京都港区の保養所、みなと荘に行ってきた。港区在住の親族がおり彼らと共に旅行したのだが、箱根はすっかり人出も戻り、渋滞の名所、湯本駅前も以前のような混み具合になっていた。港区の保養所はバブルの時代に計画されたのか、区営の施設とは思えぬ優雅な施設で人気があり週末はなかなか予約が取れない。かつては箱根の名門ホテルである富士屋ホテルのオペレーションだったと云うが、今は富士急系の会社が管理・運営をしているとのこと。一泊一人当たり12,000円の宿泊費が、GoToトラベルキャンペーンのおかげで8,000円ほどとお得感があり、台風余波の小雨を顔に感じつつ緑の中の露天風呂にどっぷりと浸かり箱根の初秋を楽しむことができた。


もっともダイニングルームは同室者で囲むテーブルの真ん中に、透明なアクリル版の仕切りが立ちふさがり、目の前の人の飛沫が飛んでこないようになっておりびっくりである。いくら食事の時に囲っても部屋に返ればおしゃべりをして、隣で寝るのだからこんな遮蔽版はまったく意味不明といえる。こうして日本中が「感染防止ごっこ」をして「我々はコロナ・コンシャス」ですとアピールしているのかと、改めて過剰なコロナ脳の蔓延を感じてしまう。もしこれが武漢ウイルスではなく外国からの軍事的脅威が迫ってきたとしたら、その時も無責任なメディアに煽られ、直ちに「一億総玉砕」「撃ちてし止まん」などと皆が同じ方向に向かって過剰反応をするのか。日本人のまじめな体質、言われずとも皆が同じ行動をとる姿勢は大東亜戦争時とさして変わっていないのだろうか。


さて、みなと荘の宿泊費は普段の70%で済んだうえに、一人2000円のGoTo地域共通クーポンを貰って精算。この値段なら毎週行きたいと思うほどで、国の財政赤字をどうするのかという点を除けば、経営が苦しい観光業者のためのこの政府の施策を大いに活用したい。ただしクーポンでは問題点が一つ。宿でのアルコール代精算には使えたのは良かったものの、帰りの東名高速道路の海老名SAでは使える店が限られており、我々が買った土産物にはこれが使えなかった。旅の中で費消させるためだろうが、クーポンの有効期限はその日限りという設定なので、少なくとも高速道路や駅、空港の売店・レストランではくまなくクーポンが使えるようにして欲しいところだ。

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2020年10月 6日 (火)

トランプ大統領退院と期待できる菅政権

武漢ウイルスに罹患して入院していたトランプ大統領が退院した。これまでの報道によると大統領の症状は軽微とするものから、重篤な状態になることが予想されるというものまであって一体どれが本当なのかわからなかった。正確にすべて聞きとれたわけではないが、トランプ氏の病院内からの放送を見る限りは、彼は入院中でも意気軒高に見え、「症状はIMPROVEしており、FEW DAYSのテスト(検査・分析)期間があるのでNEXT COUPLE OF DAYS に何がおこるか見てみよう」との趣旨でメッセージを発していた。彼のコメントのどこにも、2~3日うちにはSERIOUSやCRITICALなCONDITIONになるとするニュアンスはなく、「よくなっているけど、数日はまあ様子見だね」と云う所感を発していると私には聞こえた。しかしなぜか日米の報道には、数日のうちに大統領が職務をまっとうできない危険な状態になることも危惧されるという解説もあって、これらニュースは悪い方を予想(期待??)しすぎでは、と首をひねっていたところだが、それらに反してトランプ氏は即退院できてご同慶の至りである。


政治家としてブレが大きく側近をコロコロと首にしたり、物事の基本的知識が欠如したりといろいろ問題が指摘されるにせよ、対中国問題に関して言えば、極めて直截に喧嘩をしかけ争点をはっきりさせるトランプ流政治が私は好きだ。なによりくだらないポリティカル・コレクトネスにほとんど捕われず、正しいと信ずる道を突き進む姿勢に好感がもてる。中国の色に染まっているとされるWHOからの離脱には思わず拍手を送ってしまったし、韓国の文大統領とは話もせず在韓米軍の撤退が現実味を帯びるのもトランプ氏の強硬姿勢ゆえである。こういうやり方に対してリベラル系メディアのニューヨーク・タイムズやCNNは反トランプで固まり、日本でも多くの報道機関がトランプ流政治に批判的だが、彼らの期待に反した短期退院によって、11月の大統領選挙ではトランプ氏はバイデン候補に対し有利な展開に持ち込めるのでなかろうか。


翻ってわが国では、トランプ氏の盟友である安倍首相がやめてしまったが、引き継いだ菅政権は安倍路線を踏襲すると言っているのでまずは一安心。菅政権になってさっそく安倍さんより強硬かつ率直で好感がもてると喜ばしいのが、日本学術会議の会員候補だったサヨク学者6人の任命が見送られた問題だ。国会で共謀罪が審議された際に「仲間うちで政府の批判したら逮捕される」、安全保障関連法案の時には「日本に戦火が近づく」「徴兵制が復活する」などとおよそ現実にはありえない恐れを煽った人たちがいたが、6人はこういう輩に連なる学者らしい。日本学術会議には10億円の予算がついているとのことで、こんな人たちに我々の税金をつかわれるのはまっぴら御免蒙りたいものだ。「学問の自由が脅かされる」などと珍妙な主張をする評論家もいてのけぞるが、政府の後ろ盾で特別公務員になる日本学術会議に入る事が「学問の自由」と何の関係があるのだろうか。6人とも嫌いな政府の世話などならず、それぞれの大学なり研究機関で大いに「自由」に研究・発表をし、学会誌や自分の本などで大いに「自由」に意見を出して「学問の自由」を享受すればよいだけの事だ。今回の件は「学問の自由」などおよそ関係ない話である。なかなかやるじゃないか、菅新首相。

加藤陽子著 それでも日本人は「戦争」を選んだ(2009年12月14日のブログ) 拒否された6人のうちの一人の著書。この当時はそれほど偏向していなかったようだが…。
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2020年10月 4日 (日)

早稲田大学・早川君の好投

キンモクセイの匂いが漂う季節になった。昨日はこの時期の恒例行事、東京六大学野球秋季リーグ戦観戦に神宮球場へ行ってきた。第一試合の早稲田 対 法政戦は早稲田の早川君、第二試合の慶應 対 立教戦では慶應の木澤君とプロ野球ドラフト会議で上位指名が予想される両投手の登板が楽しみである。六大学野球の今季リーグはウイルス対策で上限5000人の入場制限となっているが、この日は好カードとあって入場するとどう見てもそれ以上の観客で賑わっている(もっとも公式発表は2試合とも観客5000人)。場内ではもし感染した場合の連絡体制のために、スマホでQRコードを読み自席をカメラで撮影してくださいなどとアナウンスが呼びかけているものの、スタンドの周囲にはそんな事をする人はまず見られない。なにしろ高齢者の多い六大学野球の観戦者には、スマホでなくガラケーの人も目立つから求めること自体が無理というものではなかろうか。


さて第一試合のマウンド、注目の早稲田・早川君(4年・木更津総合)はもともと球が速くて良いピッチャーだったが、4年生秋になるまでは9勝12敗と大事なところで勝ち切れていなかった。ところがこの日は速球に加え球が思ったところへコントロールされて四球はゼロ、精度の高いピッチングで法政打線を4安打におさえ13三振を奪う圧巻のピッチングだった。スタンドで見ていても彼の投球が強打の法政打線に連打を浴び打ち崩される気配は微塵も感じられなかった。早川君は最後のシーズンを迎えてなにか一皮むけたようで、これでネット裏に詰めかけた言われるプロ野球スカウトの評価も一段と上がったことだろう。背番号10のキャプテンでグランドの仕草一つ一つもナインを引っ張っていることが分かる好漢とあって、来年はプロに進んでから活躍して欲しい選手だ。


それに対して第二試合の慶應の木澤君(4年・慶應)の方は、どうも制球がままならない。速球が高めに浮いたり変化球がワンバウンドしたりと球を受けるキャッチャーの福井の動きが忙しい。自慢の速球も150キロを超える球は少なく、ほとんどが140キロ中盤から後半である。せっかく2ストライクをとっても、球にキレがないのか立教打線にファールで粘られカウントを悪くし、最後は置きにいった球を打たれるという感じであった。幸い慶應打線が爆発してこの日は余裕で投げることができたが、木澤君のピッチャーとしての完成度はこれからと思われた。この日のピッチングでプロの評価はどうなったであろうか。こうして馴染みの場所でひがな一日、どの学校の選手でも孫のような若者の溌剌としたプレーをゆっくりと眺めていると、なぜか心が軽くなった気がしてさわやかに帰宅したのである。

マウンド上の早川君
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2020年9月28日 (月)

武漢ウイルス下の東京六大学野球・2020年秋季リーグ戦

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遠く外野の一角に封鎖された応援団の前での東京六大学野球リーグ戦(明治 対 立教)

昨晩はTBS「半沢直樹」の最終回をどうなることかと興奮して見ていた。ドラマの途中まではお約束通り、このブログ「これぞネタバレ?半沢直樹(2020年9月22日)」で予想したことにかなり近いストーリー展開である。テレビの前で一人ひそかにほくそえんでいたのだが、最後は大和田が銀行をやめ、どうやら半沢がこれから出世コースを歩む事を示唆する場面でジ・エンドとなった。このまま進めば巨大な権力を手にするであろう半沢が、最後ににやっと笑う場面は、何を意味するのだろうか。彼の不気味なほほえみには何か含みがあるような気がするが、常に権力や悪に立ち向かうという半沢直樹の立ち位置からすれば、このままドラマがハッピーエンドで終わるので本当によいのか?とちょっと消化不良気味の最終回であった。


今朝はこれまでの日々と違い、天気が一変して本格的な秋晴れである。思い出してみれば一年前の秋はラグビーのワールドカップ開催で日本国中が盛り上がっていた。武漢ウイルスでとんでもない日々を送る今から見れば、国を挙げてラグビーで盛り上がったあの頃が、ひどく遠い過去のような気がする。ラグビーワールドカップの開催が今年でなく一年前でよかった、と心から思う。そしてこのウイルス騒動もまもなく沈静して、来年は日本中が東京オリンピックで盛り上がることを大いに期待したいところだ。それにしても武漢でウイルスを発生させたうえ、事実を長い間隠蔽し世界にウイルスをばらまいておきながら、今はいけシャーシャーと正義の使者のようにふるまう中国共産党を世界はなぜもっと糾弾しないのかと不思議に思えてならない。少なくとも菅新政権は、習近平の国賓招待だけは「正式」に撤回すべきであろう。


昨日は一年ぶりに神宮球場へ東京六大学野球観戦に行ってきた。先に2勝した方が勝ち点を得る従来の方式ではなく、各カード2回戦総当たりで延長戦もなしとまだ変則的なリーグ戦だが、まずは秋空の下で若者たちのプレー観戦を楽しめた。リーダやチア、ブラスバンドは外野の一角で独立して(というか孤立して)の応援だが、真夏に行われた応援なしの春季リーグ戦からすれば、神宮球場に学生野球が戻ってきたと感慨深い。観客の入場は5000人まで、場内ではマスク着用にソシアルディスタンスをとれ、大声を出すな、席は移動するな、アルコール販売禁止などという諸規制もあったが、そこは観客の多くが中高年男性である。マスクは途中から形ばかりで顎の下にひっかけるだけの人も目立ち、仲間とワイワイしゃべっているグループもある。オヤジたちは酒は外から持ち込んで飲んでいるし、友人をみつければ席は自由に移動と、やはり彼らの振る舞いは頼もしい。感染防止でつまらない球場の雰囲気になっているかと危惧して行ったものの、場内は元気なオヤジたちで従来の活気とそう変わらず、久しぶりにすっきりした気分の一日であった。

場内の雰囲気は従来とあまり変わらず一安心
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2020年9月22日 (火)

これぞネタバレ?半沢直樹

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妻が飛鳥Ⅱの図書館で借りた「銀翼のイカロス」

サラリーマンが日ごろ感じる組織へのうっぷんを晴らしてくれる番組「半沢直樹」の第2クール、10回シリーズもいよいよ来週で最終回だ。主人公である半沢の活躍が痛快無比で、日曜の夜にこれを楽しみにしている視聴者がきわめて多いと話題となっているものだ。日ごろ、テレビはつまらないと不満を抱いていても、この番組は特別である。経営危機に瀕する帝国航空のメインバンク側再建プロジェクトリーダー半沢に対し、同航空への500億円の融資債権放棄を迫る白井国交大臣。それを拒否すれば銀行の過去のスキャンダルを明るみに出すと脅す白井のボスである箕部幹事長。その箕部が絡んだ過去の不正融資の証拠書類を、彼の圧力に屈して銀行の中野渡頭取が本人に渡してしまう、というのが9月20日までのストーリーである。信じていた頭取や大和田取締役に裏切られ「(箕部と頭取と大和田の)3人、1000倍倍返しだ~!」と半沢が叫ぶのが第9話のエンディングとあって最終回が大いに気になるところだ。


ということで、せっかちな私はあちこちネットで「最終回ネタバレ!」を探すも、台本の管理には秘密が徹底されているようで、なかなかこれというのにヒットしない。妻は原作の池井戸潤作「ロスジェネの逆襲」と「銀翼のイカロス」を前に飛鳥Ⅱの図書室で借りて読んだが、テレビドラマは原作からかなり脚色されているのでよくわからないと言う。では自分で考えるしかないので、連休を幸いビデオに録っておいた第9話の全シーンと各出演者のセリフを入念にチェックした。というのも、ここにきて劇中で交わされるごく普通の会話や登場者の何でもない仕草が、実は話の展開の重要な伏線になっていることが多いので、前回を再度見ればきっとヒントが隠されているに違いないと思い立ったものだ。それにしてもテレビドラマにこんなに入れ込むのも久しぶりだ。


さて何度かの会社合併を経験した私は、自分の出身母体に内在する問題をいかに新会社へ軟着陸させるかに腐心したが、「半沢直樹」で展開される合併に伴う葛藤や泥仕合はリアルに我が記憶に響いて「ああ、こういうのあるよね」と画面の前で頷くことしばし。銀行員だった妻も金融庁検査をはじめとする行内風景には「とても誇張されてるけど、ああ、そうだったと思うシーンが多い」と言う。このようにサラリーマンならほとんどが日常感じる「あるある」をベースにしながら、完璧な勧善懲悪の世界、一難去ってまた一難の展開、法律・コンプラインスぎりぎりの半沢の八面六臂の活躍、加えて出演の歌舞伎役者のツボにはまった好演などがこのドラマの魅力である。憂鬱な月曜を前に多くの勤め人が溜飲を下げる要素がテンコ盛りで、このドラマの視聴率が極めて高いのもさもありなんというところだ。


こうして第9話をじっくりと検証した後に感じた、最終回の我が推理である。頭取が箕部に渡した書類は実はコピーに過ぎず、原本は半沢によって世間に暴露され箕部は政界から放逐されると予想する。頭取も不正融資の責任をとって辞任。ポイントの一つはアンジャッシュの児嶋演ずる白井大臣の秘書・笠松だと思われる。東京中央銀行の伊勢志摩支店に乗り込み、半沢たちが調べた箕部に関連する帳簿を熱心に眺めるシーンは、最終回で彼が重大な役割を演じる伏線になっているはずだ。江口のりこ演じる白井大臣も最後は箕部ではなく半沢に有利に働くであろう。第9話で見せた箕部に対する不信顔もそうだし、テレビでは普段あまり見ない江口のりこをここまで引っ張るのは、演出側に大きな意図があるはずだ。最も大きなポイントが香川照之演じる大和田取締役に違いない。半沢と時に敵対しながらも時として心配そうに見守る役柄もそうだし、番組のスポンサーであるスバルと提携しているトヨタでは香川がいまCMの顔である。最後は彼のイメージを壊さない脚本が書かれる(ひょっとして頭取の後任)と思うのは考えすぎか?来週9月27日が第10話で最終だが、その最後はハッピーエンディングとはならず、またいずれ半沢が倍返しの逆襲で出てくることを示唆することでお開きになると思うが果たして如何に?

2020年9月19日 (土)

飛鳥Ⅱクルーズ再開

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アムステルダムの飛鳥Ⅱ 2018年5月世界一周クルーズにて

ヨーロッパでは限定的ながらクルーズ船の運航も始まる中、日本船はどうなるのか注目していたところ、にっぽん丸が10月25日から愛媛・新居浜を発着とする2泊3日のクルーズを行うことになり、飛鳥Ⅱもようやく11月2日から営業を再開すると発表した。殊に飛鳥Ⅱについては、乗船を予定していた今年のワールド・クルーズがほぼそのまま来年に延期になったため、その去就に注目していたところだが、まずはクルーズを再開するというニュースが聞けて嬉しい限りだ。飛鳥Ⅱは、郵船クルーズの持つたった一隻のクルーズ船で、かなり老朽化した船体をリニューアル工事で延命使用してきた船である。今後の事業展開について親会社の日本郵船が悩んでいたとの話があちこちから聞こえていたので、これを契機にクルーズはやめた、となるのではと危惧していたが、ちょっと一安心である。


発表された営業スケジュールは11月2日横浜発の3泊4日清水寄港の「30周年オープニングクルーズ」を皮切りに、横浜・神戸起点の2泊~3泊のショートクルーズと、12月後半以降のクリスマス・年末クルーズなどである。何となくおっかなびっくり、まずは何かあってもコントロール可能な範囲と日数でクルーズを再開しようという意図のようだが、これもあのダイヤモンドプリンセスの大騒動をみるとやむをえない措置といえよう。しかも今回発表されたクルーズは、7デッキのK.Fステートルームをクルー個室のために使用するため、客室としてはE.DバルコニーとC.A.Sのスイートルームのみの販売で、最大でも定員の半分の400名の乗客募集である。外国船に比べれば高値の日本船のなかでも飛鳥Ⅱは高く、特に今年初めの改装後には一段と値上げをしていた中において、今後しばらくは最も高価なバルコニー付きキャビンしか販売しないことになる。ウイルスが怖くて出歩かない高齢者も多いから、こうなるとどの程度の人たちが乗客として戻ってくるのだろうか。


クルーズ再開にあたり発表された感染症予防対策は、乗船前の唾液によるウイルス検査に始まり、舷門や船内での検温、船内でのマスク着用・アルコール消毒などの他、ビュフェの中止、ダンスやセイルアウェイパーティなどイベントの中止、その他ディナーやショー観覧は指定席とするなど広範囲に亘る。パブリックスペースやバーも一部立ち入りや入場人数制限が実施されるようで、そもそも定員の半分の船内で一体どのような雰囲気になるのだろうか。朝のリドのビュフェで好きなものをとりわけ、ゆったりと一日のスケジュールに思いを巡らしたり、知人と予定を確認しあったりの会話なども制限されるのだろうか。また船内でマスクを着用するのも鬱陶しく、ダンスもできないとはクルーズの楽しみが削がれるし、ディナーで新しい友人ができる機会も少なくなるだろう。なかには自粛警察のような乗客もいるかもしれず、当面何かと不便な船内生活になるであろう。


などとも思うが、もうSTAY HOMEも飽きた。クルーズ料金もGoToトラベルの対象になるというので、早速11月2日「30周年オープニングクルーズ」を申し込むことにした。船上から見る流れゆく雲のさまや、さまざまに変化する海の色、海上に伸びる本船の引き波などを久しぶりに眺めることができるかと考えると、矢も楯もたまらなくなったのである。3泊4日のこのクルーズは西口総料理長のアニバーサリーディナーにフリードリンク、ゲストは歌手の麻倉未稀で寄港地は清水となっている。清水港はもう幾度も行ったので、今度は清水駅から東海道線で金谷まで行き、大井川鉄道のSLの旅でも楽しむか、と予約後は時刻表をあれやこれや繰り、すでに旅が始まった気分だ。これまで毎週習ってきたダンスができないのは残念だが、その分ゆったりとした船上生活が期待できそうだし、先般のドックでフルにきれいにしたデッキ回りをチェックしたり、改装後の露店風呂に早く飛び込んでみたりと1年ぶりの船上を楽しみたい。早く予約確定の返事がこないものか。

 

2020年9月17日 (木)

岸 信夫・防衛大臣との苦い思い出

菅 義偉 新内閣に岸 信夫氏が防衛大臣として入閣した。懐かしい顔を久しぶりに見た気がする。岸 信夫氏が慶応義塾を出て新入社員で入ったのは、住友商事の穀物部である。私が海運会社で一般バラ積み貨物船営業の管理職だった1980年代後半から1990年代に、岸氏は住商穀物部で麦や米の輸入責任者として第一線でバリバリ活躍しており、彼とは何回か直接会って商談をしたことがある。自民党の幹事長や外務大臣を経験した安倍晋太郎氏の息子だという事は知っていたが、当時の彼はまだ30代で、切れ者だった印象はあるも尊大な素振りはまったくみせず、当初は私のような取引先にはごく温厚な好青年だったと云う印象が残っている。


さて、従前「一粒とも米は輸入しない」としていた日本も、1993年冷夏による米騒動に端を発した問題などから、1995年に米のミニマム輸入枠(ミニマム・アクセス)を設定し、カリフォルニアや豪州・タイ・中国から食料米を輸入する政策に方針を転換した。これにより農水省の行政機関だった食料庁の監督のもとに大手商社数社が輸入実務を担当することになったのだが、主食である米の本格的輸入は画期的なことであり、国内の農家や農協の圧力を前に輸入米の取り扱いはきわめてデリケートな問題でもあった。またミニマムアクセス米は予算で裏打ちされた数量と価格、さらに主食の輸入という政治的な観点から、当初は限られた商社が納入業者として認められ住友商事もその中の一社であった。


しかし自由競争の世の中ゆえ時の経過と共に次第に米輸入に参入しようとする商社も増えてくる。新規参入商社とそれに結びついた海運会社が、限られた数量のミニマムアクセス米に商機を求めて殺到するのは世の常である。当時は私も若かった。次々と新規に参入を企図する商社からの船舶引合いに応じるうち、図らずもその頃あった業界の秩序を完全に無視して業容を大幅拡大する事態になっていた。既に米輸入に従事していた大手の商社からは「暴れるな」と私に幾たびか警告が聞こえてきたし、会社の上層部からは商権を伸ばせと云われていたにも拘わらず 「 おまえは何を無茶苦茶しているのだ!」 と後ろから鉄砲も撃たれた。


それらをいっさい無視して営業活動に励むうち、既存組大手の住友商事の岸氏から、とうとう「あなたは住商にお出入り禁止」と宣言されてしまった。以後、一般貨物船を扱う我が部署は住友商事との商談が一切できなくなり、しばしば運んでいた同社の穀物輸送もなくなったが、当時は「まあ他にも商社はいくらでもあるさ」とさして気にも留めなかった。そのうちこちらが関連会社へ出向した後は、会社は住商とも仲直りをしたようでまずは一安心であったが、彼の顔がテレビに出る度に「お出禁」事件をどうしても思い出してしまう。人づてに聞くと、岸氏は「あいつ(私のこと)は見たくもない」と当時言っていたそうである。いまや閣僚となった向こうはまったく覚えていないだろうが、私にしてみれば半沢直樹の十分の一くらいの血気で突っ走り、のちの大臣にあれほど嫌われたあの時代が妙に懐かしい。時も過ぎ今やノーサイド、がんばれ岸 新大臣!

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